移動支援Rera活動報告書

 地星社では、特定非営利活動法人移動支援Rera(レラ)が3周年活動報告書を作成するあたって、企画や編集の支援を行いました。移動支援Reraは、石巻地域で移動支援を行っている団体です。

 何度も打合せをし、印刷会社への入稿直前ぎりぎりまで、レラの代表の村島さん、デザイナーの平井さんとやり取りを続けてようやく完成した活動報告書なので、思い入れも深いです。

 このように作成に深くかかわっているため若干自画自賛になってしまいますが、とてもすばらしい活動報告書で他の団体の方にも役に立つ/参考になると思われるので、どこがすごいのかを少々ご紹介します。

その1:移動困難者の問題が図解とデータでよく理解できるようになっている

移動困難者レラ利用者データ

 健康で、好きなところに自分で移動できる人にとっては、「移動困難者」というものがイメージしにくいと思います。ましてや被災地の状況をよくわからない人にとってはなおさらのことでしょう。

 その移動困難者の問題を、石巻の被災状況や、時間による変化と合わせた図解と、レラの利用者のデータで説明しており、この問題を知らない人にとっても大変わかりやすくなっています。

その2:外からは見えないReraの送迎のしくみを惜しげもなく伝えている

レラの送迎のしくみ

 この活動報告書をつくるときのコンセプトが、いつかまた起きるかもしれない災害のときに移動支援をする人たちにとって参考になるものにするということでした。そのため、3年間の活動の歩みを記録しただけではなく、レラがどのようなしくみで送迎をしているのか、どんな工夫をしているのか、どんな教訓や反省があったかを載せています。

 災害時に移動支援をする人にとってはもちろん、平時に高齢者や障がい者向けに移動支援を行う人にとっても役に立つでしょう。

その3:活動が始まった当初からこれまでのストーリーがインタビューでわかりやすくなっている

レラ インタビュー

 この活動報告書の作成より前に、地星社では移動支援Reraの代表の村島さんにインタビューを行っていて、フィールドノートにその記事が掲載されています(記事)。これがきっかけで活動報告書の作成支援も行うことになったのですが、フィールドノートに掲載したインタビュー記事がそのまま今回の報告書にも使われています。

 活動報告書では雑誌風のレイアウトでインタビュー記事が読みやすくなっており、また、このインタビューを通して震災直後の時点からこれまでの活動の流れがよくわかるようになっています。

 上に挙げた他にも、年表を工夫したり、スタッフ座談会では雰囲気を伝えるために石巻弁をそのまま残したり、寄せ書きのコメントが熱かったりと、見どころ満載です。

 これだけ内容の濃い活動報告書ができたのは、そもそもレラの活動が石巻で必要とされていて、高いクオリティで3年間それに応え続けてきたという実績があったからです。3年間での送迎人数は実に延べ6万人にのぼります。それから、デザインを担当してくださった平井慶祐さんは本業は写真家なのですが、見やすく親しみやすいデザインとすばらしい編集能力で報告書を仕上げてくださいました。

 移動困難者の問題は、被災地・石巻だからこその困難さはありますが、まだ見えていないだけで日本の多くの地域で共通の課題となっていくと思います。だから、この活動報告書は医療や福祉にかかわる方にはぜひご覧いただきたいです。また、交通問題にかかわる方、自動車業界の方などもぜひ。

 活動報告書をご希望される方は、地星社でもまとまった部数をいただいていますのでお問い合わせください(問合せ)。この報告書自体は無料ですが、お求めの際にはぜひレラへの寄付もお願いします(レラへの寄付)。できれば地星社にも(笑)

(布田)