Switchは若者を中心にメンタルヘルスの観点から修学・就労の支援をしている団体で、仙台では障害福祉サービス事業所「スイッチ・センダイ」を開設しています。2013年6月には、石巻に新たな拠点として「ユースサポートカレッジ 石巻NOTE」を立ち上げました。8月27日、理事長の高橋由佳さんに、石巻での取り組みを中心にお話を伺いました。(聞き手:地星社 布田、藤原)

Switch 高橋さん

名称 特定非営利活動法人Switch
所在地 宮城県仙台市宮城野区榴岡1丁目6-3 東口鳳月ビル602(仙台事務所)
宮城県石巻市鋳銭場8-23 日和ビル3階-A(石巻NOTE)
TEL 022-762-5851(仙台事務所)
0225-25-5374(石巻NOTE)
URL http://www.switch-sendai.org
http://www.ishinomaki-note.org

地域に根ざした、みんなが生活者として生き抜いていくためのサポートをできる場所として

—Switchは震災直前に法人化した団体ですよね。最初はどのようにスタートしたか教えてください。

 もともと震災前に、仙台で法人を設立しました。本当は、3月12日に事務所の場所を明け渡ししていただいて、スタートするはずだったのですけれど、その前日に震災が起きてしまいました。それで一度、うちのスタッフは解散したんですね。こんな甚大な震災だし、生活の立て直しと家族の安全ということで。

 私はボランティアで南三陸に行き、DMAT(※1)の心のケアチームでPSW(※2)が足りないということで、訪問支援を何日か手伝いました。その後石巻に来て、物資の配布とかのボランティア活動をしたり、仙台と行き来をしていました。こっちに来たら、仙台が大変とか言っている場合じゃなくて、法人もせっかくやると言っていたのに、これでやらないというのは、こちらの被災者の方に失礼だと思いました。また、多くのみなさんに心の不調があって、居場所やサポートを必要としているという被災地の現状を見ると、仙台ではあるのだけれども、やろうと言ったことはやろうと、もう一度みんなで集まってスタートしました。

※1…災害派遣医療チーム。
※2…精神保健福祉士のこと。Psychiatric Social Workerの頭文字。

—この石巻ノートも、震災直後くらいから構想としてはあったのでしょうか?

 実は、私は石巻に20代から11年間住んでいて、ここにはお世話になった方がたくさんいますし、こちらのことがとても気になっていました。その後もPSW協会のボランティアに参加して、保健師さんと一緒に仮設をまわったりしていました。

 すると、震災が起きなければ健康だった方が、心の不調になっていたり、お薬を必要とする状態になっていることがけっこう多かったんですね。その方々が回復する過程において、私たちがサポートを手厚くしていかないと、このまま精神疾患になる方や、社会的弱者に転落してしまう方が増えてしまうのではないかという危機感がありました。

 また、もともと私たちの理念には予防教育と早期介入、早期支援というのがありました。若ければ若い人ほど、早期にサポートをすれば、予後がよくなったり、回復をしていくというエビデンスがあったので、少しでもそういったお手伝いができるといいと思っていて、それを形にしていくことをずっと模索していました。

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