特定非営利活動法人ポラリスは山元町で障害者の就労支援や地域コミュニティづくりの活動をしている団体です。全国からの支援者の助けも得ながら、アートを活かした障害者福祉や地域づくりを実践しています。活動の経緯やこれまでの取り組み、その中で生まれた変化について代表理事の田口ひろみさんに伺いました。(取材日:2020年9月24日/聞き手:布田剛、岡本泰志)

名称 特定非営利活動法人ポラリス
所在地 宮城県亘理郡山元町高瀬字合戦原72番地64
URL http://polaris-yamamoto.com/


アートなプランター。障害者によるアート活動によって地域を元気にする取り組みを続けている

地域が復興しないと障害者福祉もいい方向にいかない
―震災当日から、ポラリス設立までの経緯について教えてください。

2011年3月11日当時は、山元町社会福祉協議会の職員として障害者支援の担当(管理者)をしていました。地震発生時にはその施設におり、最寄りで山手にある区民会館に逃げるようにとの指示があったので、公用車から私用車まで全部使って、スタッフとボランティアとメンバー(利用者)とみんなで逃げました。そこから2泊3日、避難所でメンバーたちと地域の方と一緒に余震がある中、過ごしていました。

その後、場づくりに取り組んでいきます。震災後、津波で自宅を失くした障害のある人や心のケアが必要な人たちも避難所で過ごすしかなかったのです。非常事態の中でいろいろあったけれども何とか折り合いをつけながらがんばっていました。ただやはり、震災から1か月が経つ頃、様々なトラブルが起きるようになったので、リフレッシュの場が必要だと感じ、避難所になっていた公民館におしゃべりサロンを作って、地元や全国から来たボランティアさんに協力してもらい、障害者同士が集まり交流できる居場所をつくりました。

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