お茶っこケアは、石巻市渡波地区において、誰もが地域の中で自分らしく暮らせるよう高齢者や障害者の居場所づくりやケアをしている団体で、「よってがいん」という通所介護事業所を運営しています。「よってがいん」はもともと民家だった建物を利用しているため、介護施設という雰囲気はなく、団体名の通り利用者の方もお茶っこ(お茶飲み)に来るような感じで来ていらっしゃいます。もともとは東日本大震災における福祉・医療専門職のボランティア活動からスタートし、2013年6月にNPO法人化しました。

2015年10月22日、組織運営における課題の状況などを中心に、理事長の糟谷裕之さんにお話を伺いました。

お茶っこケア
写真:理事長の糟谷さん(右)とスタッフの山内さん(左)

名称 特定非営利活動法人お茶っこケア
所在地 石巻市渡波字新千刈140番地1
TEL 0225-98-8350

—最近の状況やここ2、3年の変化について教えてください。

もともと震災支援活動として始めたので、震災の年には支援活動をしましたし、震災の次の年にはここに拠点を構えて法人化を目指しました。最初にサロン活動をしているときには東北関東大震災共同支援ネットワークという、全国組織や被災地に立地する社会福祉法人などの団体が加盟している組織からの寄付金が活動のベースになっていました。でも、継続して活動していくにはそのお金だけではやっていけないので、2年目は法人を設立することを目標に動いていました。申請が不慣れだったので、法人設立まではけっこう時間がかかりました。

この場所も僕が以前働いていた千葉の宅老所に借りてもらったり、車両は千葉の社会福祉法人にリースのものを無償対応にしてもらったり、食材をあいコープみやぎから提供してもらったり、みなさんに支えていただいての活動でした。デイサービスなので、苦労しながら少しずつ利用者さんを集めて、今まで外部支援者からの支援でまかなっていた家賃や光熱費の一部をなんとか自分たちで払えるようにしてきたところです。あと職員に払っている賃金が低く、それをちゃんとした賃金にしていきたいという思いがあります。これから先もどんどん利用者さんに来ていただけるようにし、自分たちの財源で運営していけるようにしていきたいです。

—利用者の数はもっと増えた方がいいのですね?

そうですね。ここのキャパシティは10人でいっぱいなのですけれども、週6日開いているうちの半分くらいしかフルでは稼働していません。平均で80パーセントくらい稼働していかないと普通のデイサービスのような状況にはなりません。

—地域のニーズはもっとありそうですか?

すごくありそうですね。ただ日頃の業務でいっぱいいっぱいで、ニーズがあるのをわかっていて出ていけないのはすごく歯がゆいです。

—地域に存在が知られるようになって、利用者が増えていけば、団体としては自立してやっていけそうですか?

今は、想いがあり、こうした活動に理解のある職員が奇跡的に集まってくれている状態です。ただこれより賃金はなかなか上げられないので、今の条件で人を募集しようとするとかなりハードルが高いです。でも職員が増えないと利用者さんも増やせなくて、シフトがまわらないので大変です。

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