最近は、日常のことや生活不活発病が課題になってきていると感じています。おうちが大きかった人たちや、畑をやっていた人たちが津波でそういう環境を失って、狭い仮設にいることが多くなると運動不足になります。転んでケガするとか、あの人も脳梗塞で運ばれたというのがよく耳に入ってくるようになって、体を動かす機会が必要だということになりました。

 KRAさんのお茶会でも、体操をやるときはあるのですけれど、それでも1か所の仮設で見ると、月1回くらいしかやる機会がないので、今6か所中2つの仮設で、週1回、いきいき体操という名前をつけてやっています。20分弱で終わる体操とストレッチのセットみたいなコンパクトなものを今は毎週やっていて、なるべく運動する機会を提供しようとしています。

 あとは認知症について、講話と認知症の劇を私と西城さんと二人で、「劇団ふたり」で(笑)、やっていたりもします。

—仙台でも認知症の問題の普及啓発のために寸劇をやっている団体があるのですが、やはりそういう寸劇という手法は有効なのですか?

 「認知症とは」、みたいな感じで話されても、頭に入らないし、お楽しみの、娯楽の部分が必要なんですね。それで、、認知症のおじいさんとおばあさんのやり取りで、「うちもあるある、そういうの!」と思ってもらったり、観客の人に投げかけて、やりとりして、笑ってもらうんです。その笑うということ自体も、すごく体にはいいので。

 笑ってその人が元気になることとか、娯楽の部分とか、知識も得られてとか、参加できるということもあるので、寸劇という手法はいいと思います。あといろいろ盛り込んでみると、自分たちもやっていて楽しいので(笑)。講義をして、ぐーって寝られるよりは、一緒にわははって笑っていた方が楽しいですよね。

—難しい専門用語が入って、ああ目の前で寝てるよとなると、やっている方も萎えますしね(笑)。寸劇は好評ですか?

 やっている会場が今まで階上の仮設などで、もともとなじみになっている人たちがいるところでやるので、こっちもリラックスしてできるかなと。反応としては、アウェイのところではないので(笑)。

—活動のエリアとしては、階上地区の仮設6か所ですか?

 あと既存の自治会で1ヶ所、いつも呼んでくれるところがあって、そこのお茶会のときに呼ばれると、行ったりはしますね。また、シェアとプロジェクトK独自で、階上公民館に場所を借りて、在宅の人も含めて、イベントをやったりもしています。編み物の教室もやって、そこに来る6〜7割は在宅の方なんですよ。20人くらいが来てやっているのですけれど、イベントで声を掛けると、その人たちからのつながりで人が集まったりします。

—階上でずっとやっているということで、顔も互いにわかるようになってきたのではないでしょうか?

 顔もなんとなく(笑)。団体の違いも住民の人たちはわからないので、なんかよく来る人たちみたいには受け止められていると思います。

—ここで継続的に活動していることで、経過を見て、住民の方たちに何か変化があれば気づきやすいということはありますか?

 そうですね。継続的に行って血圧や体重を測っているので、記録があるから経過を見ることができます。本人にも記録したものをお渡しはしているのですけれど、こっちも名前等教えていただける範囲で、記録は残してあるので、経過はどうだったかというのを比べられます。また、風邪を引いたということがあれば、次に会ったときにどうだったと訊けますし。

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