生活支援プロジェクトKは、気仙沼で保健や福祉を中心に被災者の生活支援をしている団体です。気仙沼地域の保健福祉関係者により2011年8月に設立され、国際保健NGOである「シェア=国際保健協力市民の会」からも協力を受け、両者が共同で活動をしています。2013年8月1日、生活支援プロジェクトKとシェアの気仙沼市での活動について、シェアのスタッフである大森美和さんにお話を伺いました。

名称 特定非営利活動法人生活支援プロジェクトK
特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会 気仙沼事務所
所在地 宮城県気仙沼市長磯原ノ沢130-7 はしかみ交流広場
TEL 090-4076-5071
URL http://blog.canpan.info/sspk/

みんながなんでも気軽に相談できるような場所を

—どういう経緯でシェアがこちらに来て、生活支援プロジェクトKができていったかを教えてください。

 シェアは今までは東ティモール、カンボジア、タイの海外での活動と、日本でも在日外国人の活動をしている保健医療系の団体です。阪神大震災や中越の震災のときにも支援に行っていて、今回も震災直後から東京の方では東北に行こうと動き始めていました。

 名取市にある東北国際クリニックのドクターの方と当会の理事が知り合いだったことがあって、最初はそちらの方の支援に行っており、そこがある程度落ち着いてから気仙沼に来ました。気仙沼出身のスタッフがいて、東ティモールに赴任していたのですが、ちょうど震災の頃一時帰国で日本にいたのです。東京から東ティモールに帰るというときに震災に遭い、最初は家族とも連絡が取れなくて、そこでシェアとしても気仙沼を目指して北上したということがあったようです。

 シェアが3月の下旬に気仙沼に来たときには、DMAT(※1)など、すでにかなりの団体が入っていて、避難所ではだいぶ医療の支援が行われていました。でも、気仙沼市内のドクターや介護系の方たちのミーティングで、寝たきりの家族を抱えていて避難所に行けない方とか、そういう在宅の方は物資や情報が足りてないのではないかという話が出て、在宅をまわる巡回療養支援隊(JRS)に所属し、在宅をまわる活動を始めることになりました。

※1…DMAT…災害派遣医療チーム。

 そのときに全国から保健師さんの支援が来たのですけれど、1週間ごとに交代していくので、来ても情報がないと動けないし、どこをまわるかも各自でやると大変なのですね。だから、そこのコーディネートの部分をシェアがやりますということで常駐スタッフを置いて、次々来る保健師さんたちにオリエンテーションをして、各地区にローラーをかけてまわって情報を集めてきたり、体調の悪い人の健康に関する相談を受け、市の職員につないでいきました。

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