—そこがしっかりしていれば、何が来ても対応できるというか、対応する方針になりますよね。

 そこがスタッフ内で統一されてないと大変ですよね。

—日中の活動支援をしている自閉症の女性はもう成人ですか?

 成人ですね。もう1人、今、しばらく音信不通ですけれど、もし学校に行っていたら高校二年生の男の子のことも気になっています。ずっと引きこもりなんですね。彼の支援も続けていきたいなとは思っていますが、彼こそ手帳を持っていないので、福祉の制度に乗らないんですよ。私たちが預かるにしても制度に乗せられないので、どうやっていくのか。ボランティアの部分でやるとか、スタッフとしてやってもらうとか何らかの形で社会参加をしてもらえたらと思っています。

 国の制度に乗ったら給付金が出ますけれども、制度に乗らない部分も拾っていきたくなるんですよね。それが、NPOだと思うし。制度に乗った部分でなんとか事業を継続して、乗らない部分もやっていければと思います。

—今後活動をしていく上で、どのようなことが課題だと考えていらっしゃいますか?

 課題というか、私たちが一番しなくてはいけないのは、まずは継続だと思っているんですね。この活動を南三陸町に根付かせること。そのために必要なことは、まずは拠点をつくることですね。どんな形であれ、活動する場所をつくる。そうしたら制度に乗れるので。もう一つは、スタッフですね。今いるスタッフのスキルアップはもちろんですけれど、やっぱり人数を増やしたいので、障害者福祉にかかわりたいと思うスタッフを育成することですね。

 障がい者福祉は向き不向きがとても大きな分野だと思います。子どもたちのことをしっかり慮ってあげたり、待ってあげられたり、そういうのは後天的には持ちづらいかもしれないですね。さらに、今までここは、障がい者福祉に親しんできた人がすごく少ない地域なので、求人を出しているのですけれど、なかなかなり手が見つからないです。

—人材については、他の地域でも、他の分野でも、大きな課題ですね。

 そうなんですね。つくづく、人材は宝だと思います。奏海の杜がすごくいけるなと思ったのは、本当にスタッフ同士がすごくいい感じでまわっているところです。心構えが統一されていて、チーム奏海になっているなって。南三陸にそういうチーム奏海が広がっていくと、いい福祉の環境になっていくと思うんですね。障がい当事者の安全安心、幸せはもちろんですけれど、スタッフを育てるのは地域を育てることにつながると思っています。

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