特定非営利活動法人POSSEは、被災した子どもを対象とした就学支援、仮設住宅での送迎バス、そして被災求職者の就労支援を仙台で行っています。7月25日、POSSE仙台支部の渡辺寛人さんにお話を伺いました。(聞き手:地星社 布田、藤原)

名称 特定非営利活動法人 POSSE
所在地 宮城県仙台市青葉区本町1-14-20 本町キクタビル6階(仙台事務局)
TEL 022-266-7630(仙台事務局)
URL http://www.npoposse.jp

若者の労働に違法状態が広がっていて、ほとんどが泣き寝入りであることを調査で明らかに

—震災前の活動について教えてください。

 NPO法人POSSEは2006年に東京で立ち上がった団体です。当時フリーターやニートの問題が注目されていました。しかしその語られ方は、若い人がだめになってきたので非正規が増えているという論調でした。今の代表の今野は当時大学生で、労働法を勉強していたのですけれど、政策的に非正規を増やしているにもかかわらず、若者の問題として非正規が語られていることに違和感を感じて、若い人たちの働いている実態がどうなっているか、そういった問題を提起していこうとPOSSEを立ち上げました。

 最初に若者3,000人調査というのを実施して、実際に若い人たちはどういう状況で働いているのかを調べました。フリーターと呼ばれる人たちの7割はもともと正社員を目指していて、それがかなわずやむを得ず非正規になっている。非正規だけれどもフルタイムで働いていて、いわゆる夢負い型のフリーターのイメージとはかなり違うというのが一般的であることがわかりました。

 また、若い人たちの働き方がどうなっているか調べたところ、違法状態を経験しているのが半数以上でした。しかも、その中で、それに対して何かしようとした人がいなかったんです。違法状態が広がっていて、ほとんどの人が泣き寝入りしているという状況がその3,000人の調査の中から明らかになって、それならば若い人たちが問題解決をしていけるように、身近な相談窓口をつくる必要があるのではないかということで、NPOをつくって労働相談を始めました。

 活動は労働相談がメインです。また、働く前に労働法を知っておこうという労働法の教育活動もしていますし、調査活動をして働き方の実態を社会に問題提起していくこともやっています。

 派遣村があった2009年から、労働相談だけではなくて、生活相談も増えてきたので、労働生活相談まで窓口を広げて、生活保護のサポートなども活動の中に組み込んでやってきました。ちょうどその頃、仙台にも支部をつくらないかという話を河北新報の記者の方からいただいて、何度かシンポジウムとかセミナーを開催して、2009年9月頃にPOSSE仙台支部が立ち上がりました。当時はサポセン(※)に事務所を置かせてもらって、月1回労働相談を受けるとか、弁護士さんを招いてセミナーを開いて労働法の啓発活動をするなどしていました。

※サポセン…仙台市市民活動サポートセンター。

—震災が起きてからはどのように活動を始めましたか?

 当時中心で動いてくれていたメンバーが4年生で、就職が決まって地元に帰ったり、活動を離れてしまっていました。それで震災直後はすぐには動けなかったんですよ。みんな、被災もしていたので。僕は当時東京にいたんですけれど、何かする必要があるんじゃないかということで、僕を含めて2、3人で仙台に行って、ここにいるメンバーに協力する形で、震災の問題に取り組んでいこうと決まったのが4月の終わりくらいでしたね。そこから、震災への取り組みをスタートしていきました。

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