体操をやっていても、体操に来る人と体操に来ない人がいます。また、編み物には来る人と来ない人がいます。あと野菜のプロジェクトもやっていて、野菜だと男性が来たりするということもあります。いろいろな方向で、編み物には来なくても、野菜には来るとか、他のことには来るとか、うまくどこかにはかかるように。どうしても捉えられないところは他の団体さんのところで見てもらえているかどうか照らし合わせたりして、というふうには思っています。私たちの団体もスタッフの人数が少なく、できるところは限られるので、他の方たちとできるだけ協力してと思っています。

—気仙沼の仮設は比較的地域ごとにまとまって入っているケースが多いのでしょうか?

 階上は特にそういうところが多いようですけれど、だんだん入れ替わりが出てきているようです。自宅を再建して出ていったところに、また別のところから若い世代の人たちが入ってきたりとか。自治会の人たちが集まりをやってもその人たちは来なくて、新しく人が来たけど、どこの誰かわからないというので、自治会活動がやりづらいというのは聞きますね。

 最初からいろいろな地域の人が混ざって入ったところよりは、顔見知りの人が多いので、やりやすい部分はあるけれども、だんだんそのやりやすさは変わってきているということがあります。

—移ってくるというのは、小さな仮設住宅団地から集約されてきて移ってくるということですか?

 そこまではいっていないです。今住んでいる土地からどうしてもどかなければいけない、契約が切れた、岩手の仮設に入っていた人がこっちに戻ってきた、結婚などで世帯が分かれた、親戚で住んでいたところが分かれた、親戚の家に間借りしていたけど長期になると親戚とはいえいろいろ問題が生じてということで新しく仮設に入るなど、そういうケースが多いです。

—医療・保健という専門性は持ちつつ、コミュニティづくり、つながりづくりの視点も持って活動していると思うのですが、活動の上でどのようなことを意識していますか?

 編み物も在宅の人と仮設の人で、何ヶ所かから参加者が入ってきています。1つの仮設で健康相談やイベントをやるとそこだけの集まりになるのですけれど、そうした垣根を越えられるつながりができるよう心がけています。住民の方たちもどこかに家を建てたり、集団移転や公営住宅に入るなどしてばらばらになると、そこでまた新しい仲間をつくらないといけないので、今のうちに別のつながりができていると、移ったときも近くにその人たちがいれば生活しやすいということがあります。だから、なるべく仮設や在宅といった垣根はとって、公民館でやるときもみんなにチラシを配り、そこで集まった人で新しいつながりができたらなと思っています。

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