—募集にあたってはどのように広報を行っていましたか?

 広報は、私たちの人員で可能なのは空中戦でして、ネットや新聞といったものになります。しかし、それが仮設住宅にいる方に届くかどうかというと、届かない確率が高いです。一部の被災自治体では、教育委員会を通して学校で配布してくれました。被災自治体に対しDMは送っていて、一部の自治体でそのような対応をしてくれました。

 一年目はラジオも使われている方が多いのではないかという予測があり、行けるところにはアプローチしていました。福島では私が仮設住宅でポスティングするということもやりました。効果はあまりありませんでしたが。メディアの記者会見も三県でやったのですけれど、福島は原発の問題等の方が大きくて、取り上げてもらうことが難しかったです。学校経由のものが、圧倒的に反応が大きかったですね。ストレートに来ます。

—応募されたのはどういう方が多かったでしょうか?

 習い事をしていた方が一定数いました。学校外教育を利用していなかったけれど利用したいという方もいて、それは受験生のお子さんですね。勉強が遅れていて学校外教育機関を利用して追いつきたいという方でした。そういう受験生も多かったですし、小学生も多かったです。中三や高三の場合、教科学習に使いたいということでしたが、小学生のお子さんですと、それまで続けていたピアノ教室とか英会話教室などの習い事を続けたいといった声が多かったです。

—バウチャーの提供以外のところで、子どもさんとのかかわりや、提供するサービスはありますか?

 ブラザーシスター制度ですね。学生ボランティアがアドバイザーとなり、学習や進路などに関する相談に電話で対応します。学生ボランティアは、子どもたちの兄・姉のような存在として、その成長を支え、見守ります。

—全部の子どもについて、メンター的なかかわりをするんですね。ブラザーやシスターというのは何人くらいなのですか?

 仙台の学生で、80人くらいですね。バウチャーを提供しているのは、継続が92名で新規が97名なので、現時点で合計189人です。だから、ブラザーシスター1人あたり2〜3人を対応している感じです。個人情報の問題もあるので、こちらの事務所に来て電話をかけることになっています。189人になったので大変です。

—ブラザーシスターが電話でやり取りをしていて、何か子どもに問題が生じていることがわかったとき、どこかにつないだり、支援を提供したりということはあるのでしょうか?

 今までケースとしてはなかったのですけれど、専門家のチームはあります。グリーフケアの方ですとか、コミュニケーションやキャリア教育の方ですとか。何かがあった場合や私たちで対応しきれない場合はそこにご相談させていただいて、対応するということにしています。しかし、今のところそういったケースはないです。

 問題解決というよりは、子どもたちの日々のことを聞いて、自己肯定感を持てるようなお話の聞き方ですとか、またクーポンを使えてない場合はリクエスト制度につなげるとか、進路のことで悩んでいるときには自分の体験談を話したりとか。

 それから、情報の収集ということで、よくあるパターンとしては、たとえば担当している子どもが東北大に行きたいという場合、東北大のブラザーシスターから情報を集めて、こういう授業があるらしいよという話をしたり、大学生だからできる形のかかわりになっています。

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