特定非営利活動法人 笑顔のお手伝いは、被災した外国人の支援活動を続けています。7月22日、理事長の千葉義信さんにお話を伺いました。途中から、事務局長の長野高士さんにもインタビューに加わっていただきました。(聞き手:地星社 布田、藤原)
名称 | 特定非営利活動法人 笑顔のお手伝い |
所在地 | 宮城県仙台市宮城野区榴ケ岡17-3 シャンブルパルク305 |
TEL | 022-297-1033 |
URL | http://www.npo-egao.x0.com |
国際結婚が大きな問題となっていて、相談活動を行っていた
—笑顔のお手伝いとして、震災前に行っていた活動について教えてください。
笑顔のお手伝いは、2010年5月11日にNPO法人として県から認証されました。当時県内では国際結婚が大きな問題となっていました。国際結婚では、ブローカーと呼ばれる方々が介在していることがあり、その方々が詐欺をしているのではないかというのが一番大きな問題でしたね。国際結婚にはそれ以上にいろいろな問題がつきまといます。だんなさんと奥さんのコミュニケーションが取れないとか、お子さんの問題もあります。
そうした国際結婚に関する問題の相談活動を行っていました。僕らの活動を支援してくれていたのは曹洞宗の住職の方々です。住職は地域コミュニティの中心にいるので、檀家さんから国際結婚の問題の相談を受けることも多かったんですね。それで、僕が出かけて行って、檀家さんのお話を聞いて、どういう解決法がいいのかアドバイスしたりする活動をしていました。また、そのご家庭のおじいちゃんおばあちゃんとも直接お話しして、文化の違いをご理解いただくということもやっていました。
そうした中で、宮城県宗教法人連絡協議会というところで活動の報告をさせていただく機会がありました。これが震災後の活動のもとになる報告会だったと思います。その後も曹洞宗の宗報に載せていただいたり、いろいろご支援していただきました。
—宮城県の場合、国際結婚はいわゆる「農村の花嫁」として第一次産業の方と結婚して来日しているケースが多いのですか?
多いです。今、1万5千名ほどの外国人が宮城県にいます。そのうち9千名が仙台で、そのほとんどは留学生あるいは大学の研究者であり、日本人の配偶者はそれほど多くありません。日本人配偶者と呼ばれる人たちは仙台以外の地域に多く、1万5千人のだいたい40パーセントだろうと言われています。
国では、中国と韓国で約7割を占めていますね。数は多くないですけど帰化している方もいます。韓国の方はどちらかというと横ばい、中国の方が増えています。また、だんなさんが20歳くらい若いお嫁さんをもらっているケースも多いです。
南三陸では仮設を全てまわり、石巻ではアンケート調査と面談を実施
—そのような中で震災が起きて、どのように活動を始めましたか?
震災後に海外の多くの方から、今宮城県にいる外国人の方々はどういう状況なんだという問い合わせが、キリスト教の団体に来ていたんですね。まだその頃は外国人被災者支援の形もできていなくて、キリスト教の団体の方が2、3人で活動なさっていたんです。その方がたまたま僕と宗教法人連絡協議会で会った時のことを覚えていて、ぜひ外国人被災者の調査活動をやりませんかというお申し出があり、それで一緒にやることになりました。