心の健康の延長線上にはまちづくりがある

—石巻には支援団体が多いですが、他のNPOと連携はいろいろありますか?

 具体的にというのはまだないのですけれど、例えば、訪問先でお孫さんについての相談を受けて、うちにつないでくれたケースがありました。また、ほかの支援団体さんがそういった相談を受けて、ここにつないでくれたりすることもあります。

 それから今度、思春期青年期のセミナーをやるのですけれど、NPOの方々も来てくれることになっています。地域のNPOの皆さまに、少しでもお役に立てるといいのかなと思っています。みなさんが希望すれば継続的に、数ヶ月に一回くらいそういう場をつくりたいです。

—二年半経ちますし、心の不調は被災者だけじゃなく支援者の側にもありますよね。

 よく吐露されるのは、何をしているのかわからなくなってきたと。先が見えない、ゴールが見えない感じでやっているから、余計疲弊するのだと話されてくる方は非常に多いです。なんとしても私が、最後まで面倒を見なければいけないという使命感と責任感に駆られてしまっているところがあります。そろそろ三年くらい経ってきて、でも状況はまだまだ深刻ですから、これで解決するんだろうか、一向に何も変わらないんじゃないかとなって、達成感もなかなか得られないし、心が疲弊してきます。

 これが延々と続くわけではないだろうと思いつつも、どこまでやればいいんだというところが支援者にもあります。だから、一見メンタルヘルスの勉強会だけど、みんなが対話する場になればと思っています。

—震災から三年経つような中で、こういうことが起きてくるんじゃないかとか、こういう対策をしていた方がいいんじゃないかと考えていることはありますか?

 間違いなくどんどん人口流出はしているので、何もしなければ、みんな出ていきますよね。子どもたちも。超高齢化になっていきますし、心の健康の延長線上にはまちづくりがあるので、コミュニティをどうするかというところがあります。

—心の健康の延長線上にまちづくりがあるというのは自分の中ではあまりつながっていなかったのですが、これまでのお話を伺っていてなるほどと思いました。コミュニティということでは、今後どのようなことをやっていきたいですか?

 この頃行われているコミュニティスクールのように、もうちょっと学校が外に出てきてくれるといいと思いますが、まだまだそうした学校自体少ないです。私たちとしては、もっと学校と地域がつながるようなことを仕掛けていきたいと思っています。

 学校と地域がつながる上では、教師とか学校の現場の人が地域を知っていくことをした方がいいのかなと思います。石巻では地域のNPOがたくさん活動をしていますから、先生たちがそこに入って活動してみることで知っていって、こういう活動があると町がこんなによくなるんだよと子どもたちに教えてあげられるじゃないですか。先生たちはなかなか学校の外に出にくかったり、忙しくて大変なので、私たちがそこをコーディネートする役割をやれるといいのかなと思っています。

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