夏休みが終わって、私たちもこの活動もいったんおしまいにしました。でも、お母さんたちから子どもたちの放課後の居場所がないので、やってくれないかという声がありました。ただ私たちは、登米にしか事務所がないので、放課後に預かるには場所が遠すぎるのですね。そうしたら、南三陸町内に成人の障がい者の生活介護施設があるんですけれど、そこの施設長に場所を使っていいよと言っていただけて。渡りに船でした。
それで10月から子どもたちの預かりを再開したところ、利用する子どもがどんどん増えてきたんですね。その施設だと手狭だったので、困ったなと思っていたら、入谷公民館で部屋を貸していただけるということをお聞きして。ここは11月か12月か、その頃から借りています。今はほとんどこっちで、こうやって放課後に子どもたちが来て、5時くらいまで過ごしています。
—来る子どもたちは、仮設に入っている子が多いですか?
そうですね。被災者が多いですね。でも、おうちが残っている子とか、あとおばあちゃんの家に一緒に住んでいるとか、いろいろですね。登録は15人います。今はこの活動がメインになっています。
もう一つ、私たちが絶対続けたいのが、最初に申し上げた在宅障がい者の日中活動支援なんですね。今かかわっているのは2人しかいないのですけれど、他にもきっとたくさんいるんですよ。ただ、外に出てもらうのは、本当に地道な信頼関係の構築が必要なので、なかなかすぐにたくさんの人とはいきませんが。
ものを壊すような子が今では一緒に作業もするようになって、全然ものも壊さなくなって、一年半かかってすごく変わったんですね。笑うし、会話ができるようになって。彼女の変化が、私たちの活力になっています。そういう人が社会に出てくるお手伝いを続けていきたいなと思っています。
—家族が、障がいを持った人や子どもをあまり外に出したがらないという傾向はあるのでしょうか?
ありますね。また、親が子どもに対して過剰に責任を感じているようで、私が見なくちゃという思いを持っていることもあります。
—自分でこの子の面倒を見なくてはと抱え込んでしまうのですか?
責任を取らなきゃという意識がすごくあるように感じます。高齢の方ほどそうですね。ただ、今来てくれている子どもたちのお母さんは、そこは柔軟で、私たちもこの子たちの成長を見守る仲間として見てくださっているので、そういう方たちだとサービスもどんどん浸透していくと思います。
だから、この活動を続けていきたいと思うのですが、今は登米に事務所があって、場所も公民館を借りています。そういうのは信頼を得るのがすごく難しいんですよね。そこで私たちは活動の拠点をこちらにつくりたいと思って、2012年の当初からずっと場所を探していたのです。最初は場所を借りようと思っていました。でも、ある程度残っている家は、避難先からこちらへ戻ってくる人のために残しておきたいという家主さんのご意向とかいろいろあって、なかなか物件を見つけられなかったんです。困っていたら、私たちの活動を応援してくれている方が、土地を使ってと申し出てくれたんですね。他にも地域の方々の応援がいろいろ聞こえてきて、本当に感謝しています。