かなり好評だったので、2回目は今月26日に南三陸町で実施します。気仙沼で資格を取ったけれど就労できないフィリピン人の女性たちに実務体験を積ませようと。この実務体験は仕事の意識を持たせるという意味で、少ないですけれど時給を払って、われわれの方でも少ない予算を削ってやっています。待機老人は地域にいっぱいいますし、これから高齢者の問題はますます大きくなりますので、そこに資格を取った外国人が社会参画できるのはよいのではないかと思います。

—ときどきデイハウスには地域の高齢者が来ているのですね。

 外国人の女性たちがスキルを身につけるだけじゃなくて、地域にいる高齢者の外国人を見る目を変えていくことも目指しています。田舎に行けば行くほど、外国の人を見る目というのはあるので、意識の壁を下げるための交流の場でもあろうと思っているのですね。

 特に地域の高齢者の方に外国人の人たちっていいねって思ってもらうのは、多文化共生の意味でもすごくいいことだと思っているので、できるだけこれを続けていきたいです。そして、彼女たちのスキルがアップすることによってその地域の福祉施設などに勤められるようになればと思っています。

—高齢者の方にはどのように声掛けして、来てもらっているのですか?

 石巻市役所から後援をいただきました。それから石巻市社会福祉協議会(以下、社協)さんに協力していただけることになりました。デイハウスなので、介護認定を受けた方々を対象にやることはできないんですね。介護保険法の問題もありますので。社協さんがやるのは介護認定のお年寄りです。私たちは社協さんに協力してもらって、介護認定を受ける前の予備軍の人たちに来ていただいています。

 行政とタイアップしていてデイハウスをやるというのはあまりないのですが、大阪の箕面市などでやっていたのをヒントに、これにスキルアップの教室みたいな形をつくり、これでノウハウを身につける体験をしていったら事業者の方も見てくれるんじゃないかと思って始めました。市からも後援をもらっていますし、今後は仮設でもやってみたいと思っています。

外国人は日本語を勉強したいと思っていても、教室に通う手段を持っていないことも多い

—日本語教室の運営では、どのようなことを重視していますか?

 日本語の言葉の支援は一番の基本ですので、ここでも資格の取得を目指しています。日本語検定というのがあるので、検定試験を受けさせようとしています。7月に1級を1人、3級を1人、受けています。今いる受講生の中からある程度しゃべれるようになった方には2級を目指させます。今年の12月はまず3級へのトライです。

 また、日本語をただしゃべれるようになるだけではなくて、対日本人とのコミュニケーション能力を養うようなことをやっていきたいと思っています。例えば、一生懸命標準語を覚えても、じいちゃんばあちゃんがズーズー弁だったら理解ができません。そういうコミュニケーションが取れるような理解力を身につけるために、講座の中に方言などを少しずつ取り入れていこうとしています。ズーズー弁をしゃべれということではなく、言っていることがわかるような日本語の習得を目指しましょうということで取り組んでいます。

 またもう一つ大きな課題が出ています。石巻の日本語教室に、なかなかみなさんが通えないということがわかりました。みなさん遠方なんですね。例えば桃生や松島、古川から来ている方もいます。中には牡鹿半島の鮎川から来ていますという方もいます。

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