そして最近になってからは、仮設に入っているとか、在宅とか、そういうことに関係なく、震災の有無に関係なく、いじめられていてとか、障害があって受け入れてもらえないとか、そういう子たちが来るようになっています。

 活動のスタイルは一緒なんですけれど、来る子たちの層が変わってきているということはあります。みんな学ぶ場所がない、居場所がないという課題は共通しているのですけれど、若干、その理由や原因のところに違いがあります。

−そういう困難を抱えた子どもが増えてきたというのは、子どもが自分の友達を連れてくる感じなのですか?

 そうですね。友達を連れて来るとか、あとはママ同士の口コミでというのがありますね。今年度に入ってからは学校からの告知してもらっていて、湊小や門脇小など大変だった学校にピンポイントで配布してもらったりしているので、そういう子たちが来るというのはあります。

 こちらから募集の制限をかけなくても、普通に学校生活を送っていて、普通に塾に行ける子はそっちに行くので、そうではない子たちがけっきょく集まってきています。

−TEDICでは、例えば不登校とかいじめを受けているとか、そういう子たちの支援をしているということを特に強調しているわけではないのですか?

 今年度から、告知を始めるときにそういうフレーズは入れています。例えば、ちょっと荒れが目立っている子とか、発達障害がある子とか、不登校経験がある子とか、そういう子たちでも受け入れができますよという文言を入れています。実際にそれで、申込みや問い合わせというのは多いですね。一番多いのは発達障害ですよね。ADHDと、高機能自閉症の関係で問い合わせてくださる親がすごく多いです。

−TEDICでは、そういう子どもが増えてきたことで、対応を変えたことはありますか?

 研修をしっかり整備したというのはあります。今までは、ボランティア同士の相互のリフレクションによる高め合いくらいしかしてなかったのですけれど、やっぱり専門家を入れなきゃいけないなと。医療的な側面からとか、福祉的な側面からとか、もちろん教育的なところも含めての研修はしています。

−そういう子どもに接したことがないと、どう対応したらいいかがわからないですしね。

 どう対応したらいいのかというスキル的なところはもちろんやるのですが、それ以上に大事なのは心構えだと思っていて、こういう子もいるんだとか、来るんだというマインドを持たせるようにしています。どんな子が来ても、しっかりその特徴を把握して、その子に対して何ができるか考えるという、やることは一緒なんだということさえしっかり理解できていれば、そこに何をスキルとして上積みしていくかということなので、それは徹底してやっていますね。同じ教室に、不登校の子とスーパーヤンキーと発達障害の子が共存しているみたいな感じです。

学校外の場所だからこそ、その子の本音に触れ合えるということがある

−子どもたち同士はわりとうまくやっているのですか?

 意外とうまくやっているんですよね。おもしろいですよね。学校ごとにやっているわけじゃないので、いろいろな学校の子が混ざり合っているのですけれど、友達同士になって帰っていっています。

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