やってみたら思いのほかみなさんの反応がよくて、回数を重ねるたびに受講生が増えています。石巻の日中友好協会の方と一緒にやり始めたんですね。ところがやり始めたら友達が友達を呼ぶという状態で、今は多国籍になっています。中国人、韓国人、タイ、インドネシアまで来ているような状況です。パソコン教室はおかげさまで、20人弱まで来たのかな。パソコンをやりながら日本語を覚えるということもありますので、就労訓練に近い日本語の支援は今後もずっと続けたいと思います。しかし、多国籍になったのはいいんだけれど、レベルの差が大きくなっています。新しく来た人たちはパソコンを触ったこともない人たちなんですね。今の形で、多国籍でやるのがいいのか、そういった問題はあります。

 それから講座をこれまでよりも1時間長くして、2時間を3時間にしたんです。最後の1時間はパソコンの資格を取るためのワードとエクセルの試験対策用ということで、今年の7月から始めています。当初から始めていて、スキルが上がった方を対象にやっています。まずはきちんと日本語が書けるくらいの日本語を習得しましょう、その中で自分のスキルを身につけて自分のアピールとなるものを持ちましょうということでパソコン教室を捉えています。パソコン教室では今年の年末までに3人がワードとエクセルの資格を取れるように指導していきたいと思っています。

外国人がスキルを身につけるだけではなく、地域の高齢者の外国人を見る目を変えていくことも目指す

—就労支援としては他にどのような活動を行っていますか?

 この教室の中で、昨年の12月から外国人の介護ヘルパーの養成をやり始めました。これは旧制度で、今年の3月までは学校で研修して実務研修も終われば資格がもらえるというしくみでした。今は制度が変わって、初級は試験を受けないと資格が取れないんですね。その介護ヘルパー2級、今はヘルパー2級と言わないのですが、昨年12月からその資格を取らせるために、日本語の講座をずっと開講し、仙台の三幸学園という資格取得の専門学校と組みまして、6人の方にチャレンジしてもらいました。

 6人がチャレンジして、5人が資格を取れました。1人はインフルエンザで実務研修ができなかったので、ずれこんでいます。これは学校の最大限の配慮で、9月までにはなんとか実務研修が終わって6人の方が資格を取れるようになります。

 しかし、問題が出ています。2人は就労ができましたが、あとはできていません。気仙沼でも震災後、NPO法人難民支援協会さんが特にフィリピンの方々にヘルパー2級の資格を取らせたんですね。たしか24人かな。資格を取ることができたんですけれども、半分しか就職できませんでした。やっぱり外国人が資格を持っていても、雇って大丈夫なのという日本人の経営者の方の不安があると思うんですね。せっかく資格を取ったのだから、もうワンステップ進んでなんとかその不安を解消させたいと考えています。

 そこで7月から、「ときどきデイハウス」というのを始めました。これは資格を取った人たちが、就労するための実務体験を積む場所をつくろうと始めたものです。石巻の地域の高齢者の方と、外国人の資格取得者と、介護ヘルパーの資格を持った方々に一日入ってもらって、外国人の方にデイサービスがどういう仕事をするのか体験をしてもらって、その回数を重ねてスキルを身につけてもらう。そういう職業訓練的なものを今取り組んでやっています。これは先日、1回やりました。

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